15.押してもダメなら引いてみな。「逆櫓の構え」:セルフカインドネス

こんにちは。

紅葉の季節ですのに、ある地域は25度近い気温とか。

寒暖の差が大きくて体調を壊しそうですね。

 

(画像引用:矢切と葛飾区柴又を結ぶ舟。松戸市観光協会)

 

「逆櫓(さかろ)の構え」について感じたことを書きます。

この言葉は、引きこもりに関する雑誌の中で見つけました。

「逆櫓(さかろ)の構え」という言葉は、引きこもりではない方々にとっても示唆がある言葉だと思いましたので、今回取り上げる次第です。

なお、 「逆櫓」とは、船を後ろへも自由に漕ぎ進められるように、艪を船の前部に取り付けることです。

 

(アイキャッチ画像引用:『HIKIPOS 03』(2018.8.15)表紙)

 

ひきこもり当事者の声満載の雑誌『 HIKIPOS 』

 

ご縁があり『HIKIPOS―ひきこもり・生きづらさ当事者の声が満載!』という雑誌を読みました。

 

まずは雑誌の各号の特集と表紙をご覧ください。

 

01号の特集

「なぜ、ひきこもったのか。ひきこもり当事者が語る“原因”」。

(画像引用:HIKIPOS 2018.2.15)

 

02号の特集
「こうして人とつながった。経験者が語る“人とつながる方法”」。

(画像引用:HIKIPOS 2018.5.15)

 

03号の特集
「ひきこもりと恋愛・結婚」。

(画像引用:HIKIPOS 2018.8.15)

 

以下が裏表紙に記してありました。

 

ウェブ版ひきポス http://www.hikipos.info/   (『ひきぽす』で検索)

Twitter  @hikipos1

Facebookページ www.facebook.com/hikipos

お問い合わせ先 info@hikipos.info

 

「背水の陣」よりも「反櫓(さかろ)の構え」

 

『HIKIPOS』02号の11頁。

タイトル「社会に出ていくよりも、逃げること」(喜久井ヤシンさん)から抜粋します。

 

 

(略)

「自分は完全に、社会人として立派にならなければいけない。」「親にも世間にも恥じないよう、金を稼ぐ男性にならねば、絶対に許されない。」-そんな脅迫的な思いで、私は自分の精神を痛みつけていた。

……時は流れて、三十代になった現在の私は、親しい人とのつながりもあり、アルバイトで自活さえしている。そうなったのは、「絶対に行かねばならない進路」を行ったからではない。「失敗しても大丈夫な退路」を得たからのことだ。車輪を回す力をゆるめて、少しだけ方向転換し迂回路を行くような、そんなゆとりが要った。

(略)

当然、変化は数日や数カ月で起こるようなものではなく、数年もの歳月をかけて、ゆっくりと起こっていった。

(略)

進路より退路を、というのは、医学の分野でも主張されてきた。精神科医の中井久夫氏は、精神の健康のためには、「背水の陣」ではなく「逆櫓(さかろ)の構え」が必要だと言っている。逆櫓とは、後ろに下がるためのオールをそなえた船のこと。前へ進まねばならない強さより、退くことのできる柔軟さが必要だという。

(略)

ひきこもり支援の場でも、「絶対に成功しろ」というメッセージが、逆効果になることはすでに指摘されてきた。仕事を恐れるひきこもりに対して、「バイトの面接に受からねばならない」と追い詰めるやり方では動き出せない。それよりも、「面接、五回くらい失敗しておいで」と言える人がそばにいた方が、よほど動き出しやすくなる。私としても、もしも自分の親がそれくらいの気持ちでいてくれたなら、どれくらい精神が楽になったかわからない。

(略)

「絶対に」、「間違いなく」、「前へ進まねばならない」なんて思いに取り囲まれたままだったなら、私はいつまでも、人とのつながりのない生活をしていただろう。就労や学業といった最短距離では、私は進むことはできなかった。自分なりの退路・迂回路があることで、ようやく動きだせる。それが人とのつながりにもなり、良し悪しを別とした一つの結果として、社会的なつながりも生み出していく。私はそのような経験をしたように思う。

(略)

 

 

 

いかがでしたのでしょうか?

私は一行一行が胸に刺さりました。

「前へ」に行ってもよし、時には後ろに「退く」のもよしなのですね。

 

しばらくして、心に安らぎを感じました。

 

後ろ向きに歩いてみると・・・・・

 

以前試したことを思い出しました。

後ろ向きに歩いてみたのです。

すると、後ろに一歩後退するたびに、視野が広がったのです。

空が広く見えたのです。

目に映るものが増えていったのです。

後ろ向きに歩むと、今まで見えていた光景が違ったものとして見えてくるのです。

 

新鮮な思いでした。

 

YouTube動画(19秒 後ろ向きに歩く人たち.wmv)

 

 

余談ですが、水前寺清子さんが「押してもだめなら引いてみな」と歌っています。
・歌詞

でも、歌詞の中の「登っていくのが人生さ」はどうでしょう?

登るばかりが人生とは思えません。

 

セルフカインドネスを利用して、「後退してもいいんだよ」とささやいてみましょう

 

セルフカインドネスは、自分自身に対して優しくすることです。

 

目標の実現を目指している最中、達成しなければいけないという自縛によって、疲れたり自信を失うことがありますね。

自分が立てた目標が意味があったのだろうか、とさえ戸惑うこともあります。

「逃げてはいけない」「初志貫徹しなければ」という思いは立派ですが、時には自分を追い込むことがあります。

こんなとき、「一度、退いてみたら」「バックしてみたら」と自分自身にささやきかけてください。

 

セルフカインドネスを利用して、穏やかな気持ちを取り戻したいものです。

※ 固定ページ「セルフカインドネス」はこちらです。
「自分自身に優しくする」セルフカインドネス(Self-Kindness)

 

 

セルフコンパッションに関する今までの投稿一覧

 

1.怒りとの良い付き合い方とマインドフルネス

2.私が今ここにいる意味と『病者の祈り』

3.今を生きる

4.「棚上げ」という魔法

5.母を亡くしました

6.認知症だった母への罪悪感

7.罪悪感を手放す具体的な方法

8.罪悪感と怒りとは同じものかもしれません

9.悲しみは誰でも持っている。『でんでん虫の悲しみ』(新美南吉)

10.対話は、理解よりも共感が大切! -書籍と映画を通じて-

11.「自己責任論」を「セルフコンパッション」で乗り超える

12.自分の思い込みを知って、楽に生きよう!

13.映画「ありがとう、トニ・エルドマン」にみる父と娘

14.気持ちを素直に伝える。これがアサーションという権利

15.押してもダメなら引いてみな。「逆櫓の構え」

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です