34.谷川俊太郎さんの「いま生きているということ」:マインドフルネス<セルフコンパッション

34.谷川俊太郎さんの「いま生きているということ」:マインドフルネス<セルフコンパッション

こんにちは。

 

今日は、谷川俊太郎さんの詩、「生きる」について書きます。

 

数日前に、お若い方にメールでご案内した詩です。

 

 

「生きる」(谷川俊太郎)

 

 

生きる

 

谷川俊太郎

いきているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木漏れ日がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと

生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまがすぎてゆくこと

生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ

 

・初出詩集は、『うつむく青年』。1971年9月、山梨シルクセンター出版部。

・新しいものは、絵本『生きる』。2017年3月、福音館書店。絵は、岡本よしろう

 

 

 

 

 

いま生きているということ

 

 

この詩が好きな点は幾つかあります。

 

・「生きるということ」ではなく、「生きているということ」という言い方が好きです。

 

固有名詞がでてくるので、身近に感じます。

ミニスカート、プラネタリウム、ヨハン・シュトラウス、ピカソ、アルプス

 

・幸せ気分に浮かれていると、突然ドッキリします。

「かくされた悪を注意深くこばむこと」、「いまいまがすぎてゆくこと」、「いのちということ」。

 

 

そして、一番好きなのは、

いま生きているということ」

という表現。

 

「生きているということ」とは、「いま生きているということ」なのですね。

 

いま

 

 

昨日生きてきたことでもなければ、明日生きていくことでもなく、

「いま生きているということ」。

 

 

(画像引用:KOKOKARA

 

 

 

ここで、この場所で生きるとは?

 

 

もう一つ好きなところ。

 

視野が急に変わる点も好きです。

 

「それはのどがかわくということ」
「木漏れ日がまぶしいということ」

から、

「いま遠くで犬が吠えるということ」
「いま地球が廻っているということ」
「いまどこかで産声があがるということ」
「いまどこかで兵士が傷つくということ」

へと視野が広がり、
広がったと思ったら急に、

「いまぶらんこがゆれているということ」。

あっちへいったり、こっちへきたり。

 

そうでありながら、

最初の「あなたと手をつなぐこと」が、最後の「あなたの手のぬくみ」に戻ってくるのです。

なんだか、ジェットコースターみたい。

 

 

遊園設備も家も解体はエイキ

 

そして、極めつけは最後の最後の一言、

「いのちということ」。

 

今をうたっているだけでなく、ここ、この場所をうたっています。

 

 

 

私たちは二十億光年離れている宇宙さえも対象にできる想像力と科学を持っています。

しかし、「いま生きるということは、ここで生きる。この場所で生きている」ということだと思います。

 

 

 

 

それにしても、

この詩は、上手すぎます!

谷川さんには失礼ですが、

それって、ずるいよー!

(カッコよすぎるよー)

 

 

いまを生き、ここで生きていることは、マインドフルネス

 

 

「生きる」、これはマインドフルネスそのものですね。

 

昨日のことを悔むことはできます。

明日をわずらうこともできます。

 

あそこを想像することが出来ます。

そこを分析することもできます。

 

でも生きるのは、今この場所だけ。

 

 

 

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34.谷川俊太郎さんの「いま生きているということ」

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