46.絶望と悲嘆に直面した時、『鬼平犯科帳』から学ぶ :マインドフルネス

46.絶望と悲嘆に直面した時、『鬼平犯科帳』から学ぶ :マインドフルネス

こんにちは。

そろそろ雪が道路の隅や田畑から消えつつあります。

 

今日は時代小説『鬼平犯科帳』について記します。

と申しますのも、私、突然、時代小説に凝り始めました。

 

今までは、趣味の落語をYouTubeで聞きまくっていました。

すると、偶然候補欄に『鬼平犯科帳:朗読』が現れました。

聞き始めましたらこれが意外と面白いのです。

 

『鬼平犯科帳』。

著者は池波正太郎。

時代は江戸。

実在の人物である火付盗賊改方長官、長谷川平蔵を主人公とする捕物帳です。

 

今回は、第12話「兇剣」(きょうけん)から。→フジテレビサイト「鬼平犯科帳:過去の作品」
文庫では第3巻4話です。

 

【目次】

1.なるほど!と膝を叩いた行動主義の考え方

2.情緒に落ち込まず、些細な行動が心に反応する

3.マインドフルネスと行動主義

4.ルフコンパッションに関する今までの投稿一覧

 

 

 

1.なるほど!と膝を叩いた行動主義の考え方

 

八人の刺客に挑まれた主人公、長谷川平蔵は圧倒的に不利な状況に陥ります。

この時の長谷川平蔵の心と行動を著者は書いています。

 

以下は、YouTubeの朗読から1分8秒分を書きおこしました。

「朗読・池波正太郎「兇剣」~鬼平犯科帳~」(1時間42分2秒~43分10秒の1分8秒間)より

 

(平蔵は)曲折に富んだ40余年の人生経験によって、

思案から行動をよぶことよりも、まず些細な行動を起こし、

そのことによって、我が心を操作することを体得していた。

絶望や悲嘆に直面した時は、それにふさわしい情緒に落ち込まず、

笑いたくなくてもまず笑ってみるのが良いのだ。

すると、その笑ったという行為が不思議と人間の心に反応してくる。

ここで死ぬのかと思うよりも、浦部(同僚)が逃げ切ってくれるに違いないと思う方が、

今の平蔵には有効・適切なことは言うを待たない。

「よし、(かかって)来い」。

呼吸が整い、勇気が沸き出てきた。

敵もこれはと思ったに違いない。

(平蔵のことを)これほどの男とは彼らも想定していなかったろう。

包囲した瞬間に八つの刃は一つの刃に押さえられ、(敵は)息つく間もなく攻撃に移れなかったのだ。

()内の単語と太字は、私が加筆しました。

 

 

2.情緒に落ち込まず、些細な行動が心に反応する

 

著者は平蔵を通して「絶望や悲嘆に直面した時は、それにふさわしい情緒に落ち込まず、」と書いています。

そして、「思案から行動をよぶことよりも、まず些細な行動を起こし、」です。

その結果、「すると、その笑ったという行為が不思議と人間の心に反応してくる。」のです。

 

この文書を一行にまとめますと、

「絶望・悲嘆などの心のピンチ → (思案せずに)些細な行動を起こす → 不思議と心が変化する」

となりますね。

 

心が参っていて、その心を変えようと心と頭の中だけでもがいても、どうにもなりません。

どうにもならないどころか、尚更心が落ち込みますね。

心がピンチな時は、まずは小さな行動を起こすことが大切です。

行動すると、自然と心が変化してくるのです。

 

このことを平蔵は、曲折に富んだ40余年の人生経験によって、」「体得していた」。

さすがは鬼平と恐れられた長官、長谷川平蔵です。

 

 

3.マインドフルネスと行動主義

 

何ごとも考えず、邪念を起こさず、ただただ呼吸に集中するマインドフルネス。

平蔵がピンチの時に、自分の心をいじらずに、些細な行動のみを起こしたのは、吐く息に集中するマインドフルネスに通ずる点があると思います。

悩みの迷路を頭と心で歩き回るくらいならば、散歩を20分する方が気持ちが明るくなることでしょう。

 

 

4.ルフコンパッションに関する今までの投稿一覧

 

最新ブログ → http://tsunami2013.org/

 

1.怒りとの良い付き合い方:マインドフルネス

2.私が今ここにいる意味と『病者の祈り』:マインドフルネス

3.今を生きる:コモンヒューマニティー・マインドフルネス

4.「棚上げ」という魔法:マインドフルネス

5.母を亡くしました:コモンヒューマニティー・マインドフルネス

6.認知症だった母への罪悪感:セルフカインドネス

7.罪悪感を手放す具体的な方法:セルフカインドネス

8.罪悪感と怒りとは同じものかもしれません:セルフカインドネス

9.悲しみは誰でも持っている。『でんでん虫の悲しみ』(新美南吉):コモンヒューマニティー

10.対話は、理解よりも共感が大切! -書籍と映画を通じて-:マインドフルネス

11.「自己責任論」を「セルフコンパッション」で乗り超える:セルフカインドネス

12.自分の思い込みを知って、楽に生きよう!:マインドフルネス

13.映画「ありがとう、トニ・エルドマン」にみる父と娘:マインドフルネス

14.気持ちを素直に伝える。これがアサーションという権利:マインドフルネス

15.押してもダメなら引いてみな。「逆櫓の構え」:セルフカインドネス

16.コミュニケーション能力が低いのは誰だ?:セルフカインドネス

17.答えないことが答え?:マインドフルネス

18.心を開いて~ZARDの歌詞から思ったこと:コモンヒューマニティー

19.悲しい時は悲しいままに:マインドフルネス

20.「あなたを許す」:セルフカインドネス

21.箱を作る人:マインドフルネス

22.大人の願いと、子どもの受け止め方:コモンヒューマニティー

23.想像力(再度、でんでん虫の悲しみ):コモンヒューマニティー

24.大事にされている安心感:セルフカインドネス

25.何を言われたって平気(ホイットニー・ヒューストンの曲):セルフカインドネス

26.弓を引く人:マインドフルネス

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28.幸せがあふれ出す三つの考え方:セルフカインドネス

29.♪ ゾウさん、お鼻が長いのね♪:セルフカインドネス

30:レーズン一粒を味わった:マインドフルネス

31.コロナで気が晴れない:コモンヒューマニティー

32.コロナの負の連鎖を断ち感謝や支援を:コモンヒューマニティー

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34.谷川俊太郎さんの「いま生きているということ」:マインドフルネス

35.だから、あすのことを思いわずらうな。あすのことは、あす自身が思いわずらうであろう。一日の苦労は、その日一日だけで十分である。:マインドフルネス

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